M-64 PARKA

いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。
スタッフの伊藤です。

 

10月も後半、体感としても涼しい気温と秋の気配が馴染んできたころでは。

今回は、これからの季節にデイリーに羽織れる一着をご紹介します。

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French ARMY

M-64

PARKA

SIZE:86C,92L,FITS LIKE FR48

 

フランス軍のM-64パーカー。今回はライナー付きのものが3着入荷しております。

 

M-64は、フランス軍で1964年から80年代末まで採用されていたフィールドパーカーです。

同シリーズにはジャケットやパンツなども存在し、名作M-47シリーズの後継として開発されました。

 

当時のフランスは、旧植民地であるチャドをはじめとする仏語圏アフリカ諸国に依然として強い影響力を保ち、たびたび軍事介入を行っていました。

また、1982年のレバノン内戦への多国籍軍派遣にも参加しており、M-64もこれら軍の投入先のいくつかで実際に着用されたのではと考えられます。

当時の着用画像は見つけられなかったので確証が持てませんが…

もし画像お持ちの方や詳細ご存じの方がいらっしゃれば是非ご教示ください。

 

そんなM-64パーカー、早速ディテールを見ていきます。

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全体のバランスはこんな感じ。

長すぎない丈感やスクエアカットの裾など、このタイプのミリタリーアイテムの中でもM-64パーカーにしかないシルエットが特徴的です。

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比翼仕立てのフロント。ジップとボタンの二重構造です。

ちなみにこちらはフロントにベルクロのつかない初期型。シェル側のタグ欠損してますが、恐らく64〜65年頃製造の個体かと。

また、ウエストのドローコードは内蔵式です。

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フランス軍らしいしっとり柔らかいコットンサテン生地。やや光沢感もある上品な印象の生地感が魅力です。

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フードはデザインソースになったM-51と同じく一体型のつくり。大きめな作りで、実際被ることはないかもしれませんがヘルメットの上からでも被れるサイズです。

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肩はラグランです。ラグランなことで多少大きめの個体でも肩馴染みよくお召しいただけますし、アームホールも広めなので沢山着込めるのも嬉しいポイント。
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メタルのSPIDEXジップ。この辺りの年代のフレンチミリタリーで度々見かける印象です。f:id:straysheep_yurakucho:20251020115051j:image

袖はボタン留めで、
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内側生地付きなので開けると袖幅を広げられます。

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深めのフラップポケット。フラップ留めのボタンはボツボツした凹凸があるものとツルッとしたものがありますが、こちらはツルッとしたタイプ。
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ライナー単体です。

起毛した化繊生地で、取り回しの良さと暖かさが両立されています。

この時期なら起毛の面を表にして一枚でアウター使いしても可愛いと思います。

 

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トルソーにかけるとこんな感じです。M-51やM-65などいわゆるモッズコートと言われるアイテムと比べると、丈が短めで四角いシルエットなのが分かります。

 

個人的にM-64に感じる魅力として、ヨーロッパ古着の枠内でモッズファッションを完結できるという点はとても大きいです。

大元であるM-51や、後年に流行したM-65といったアメリカ由来のアイテムに頼らずとも、フランスをはじめとするヨーロッパ各国の古着を組み合わせることで、ヨーロッパ100%のモッズスタイルを成立させることができます。

それはつまり、当時のロンドンで生まれたカルチャーを、ヨーロッパ古着という日本の小さいカルチャーの中で再構築するという試みでもあるわけです。

また、通称サテン300と呼ばれる光沢のある生地感とミニマルなディテール、直線的でスクエアなシルエットは、現代的なバランス感のなかでも生きてきます。

そうした要素が組み合わさることで、ジャパナイズドされた現代のモッズファッションに、どこか新鮮なアクセントを与えてくれるのではないでしょうか。

ぜひこの機会に店頭でお試しくださいませ。

 

 

 

短いですが本日はこのぐらいで。

 

秋冬うってつけのヴィンテージアイテムも多数店頭入荷しておりますので、

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明日も皆様のご来店お待ちしております!