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STAFFファルコンです。
靴、ミリタリーときてまた好きなものネタでサックコートについて書かせて頂きます。
SACK COAT。今ではSACK JACKETと呼ばれることもありますが、元々はSACK COATと呼ばれていました。
COATとは言うものの、着丈はジャケットと同じ、腰くらいの丈です。
コートというとどうしても防寒用の冬に着る外套のイメージですが、スーツの上着という意味もあります。
フロックコートも今でいうところのコートではないですしね。
そしてSACKという言葉はリュックサックのサックと同じ言葉。袋という意味だったりします。
直訳すると「袋の上着」??
まずネットの辞書で調べると…
「背広の上着」
「ウエストに絞りのない上着」
...いや、説明になってないでしょ。
今じゃスーツの上着のことをサックコートなんて言わないし...
SACK COATが登場するのは1840年代のフランスだそうです。
初期は海辺や田舎でスポーツやレジャーの時にフロックコートの代用として着られていました。
フロックコートが基本的に4つのピースから精巧に縫い合わせて作られたのに対し、
サックコートは簡略化された2つのピースから作られたので、その布のカットのしかたかたから「SACK」(袋)と名付けられたのだとか。
ゆったりした袋のような見た目から「SACK」と名付けられたわけではないのですね。
フロックコートを作るのに手間がかかるのに関して、サックコートは簡略化されているのでそこまで手間がかかりません。
そういう理由もあって、1860~70年代になると紳士のデイウェアとして着用されるようになり一般に広まっていきます。
海外のサイトの説明には「銀行家はピクニックに、農家は教会にSUCK SUITを着ていきました」とあります。
SACK COATのスタイルは4つボタン、小さめの襟で狭いVゾーン、絞りのないウェスト、裾に向かって軽く広がるゆったりとしたライン等が挙げられると思います。
ボタンは一番上のみを閉め、下は閉めずに中に着たベストや時計のチェーンを見せるのが流行りだったとか。
実際に昔の写真を見るとボタンを締めきってない方が多いです。
生地はウールは勿論ですが、夏用にコットンやリネンのものもありました。
ウールの物はそれなりに見ますが、夏用のコットンの物などは白い物が多いので綺麗な状態で出てくるものは少ないですね。
SACK COATは30~40年代までの物ばかりなので、自分が着ることのできるものにはほとんど出会えません。
綺麗に着こなせる方が羨ましいです(笑)
ご興味のある方は是非一度、着てみて下さい。