AU MOLINELの紙タグ

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先日インスタにアップした「AU MOLINEL」のワンウォッシュのワークコート。

デッドストックをワンウォッシュした商品だったので紙タグもそろっていたのですが、その内容を翻訳してみたらなかなか面白かったのでご紹介します。

 

まずこのタグ。

 

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フランスのワーク系好きなら必ずどこかで見たことのある「SANFOR」。
この「SANFOR」は防縮加工を施した布地の商標名なのですが、
まず「SANFOR」は「SANFORIZED」の略で、防縮加工をしてあることを意味します。
その下の小さな文字「Marque deposee」は「商標」という意味です。

更にその下「ne retrecit pas」は「収縮しない」という意味なんですが、収縮しないことをとても協調してますね(笑)。

話は戻してこの防縮加工、1928年にアメリカの「Sanford L.Cluett」という方が発明したので「SANFORIZED」と呼ばれるようになっています。
自分はアメリカ古着に関しては全然詳しくないのですが、アメリカヴィンテージのデニムやコットンシャツにはタグに「SANFORIZED」の表記があるものもあるのだとか。
国によらず、洗うと縮んでしまう生地というのは悩みの種だったようですね。


さて次のタグ

 

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モリネルの製品タグですが、ここにも「SANFOR」がありますね。

「Serie」は「シリーズ」ですが、「BH CSH BLANC」はBLANC=白しか分かりませんでした。BHとかCSHってなんの略なんでしょうか?
「Taille」は「サイズ」や「寸法」を意味します。

 

最後のタグ

 

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このタグも面白いです。
「AU BON MARCHE」はボン・マルシェ百貨店のこと。ボン・マルシェ百貨店のタグですね。
このボン・マルシェ百貨店、世界最古の百貨店と言われています。
1838年にヴィドー兄弟がパリの生地屋として創業した店が、1852年にアリスティッド・ブシコー(Aristide Boucicaut)によって買収され、定価販売やバーゲンセール等を始めるなどして百貨店としてのシステムが確立していくのだとか。
因みにボン・マルシェとは直訳すると”安い”という意味。
現在はLVMHグループに買収されていますが、創業当時は高級百貨店ではなく大衆向けの百貨店だったそうです。
それはその下の文字「LE MAGASIN DE LA FAMILLE」という文字にも表れており、これは「ファミリーストア」という意味。
家族連れのシルエットが描かれているところが可愛らしい感じがしますね。
「MAISON A BOUCICAUT PARIS」は「パリのブシコーの家」とオーナーの名前を入れています。
当時は27フランで売られていたんですね。
「ne pas enlever ni deplacer cette」は「これを削除または移動しないでください」、「ETIQUETTE INDISPENSABLE」は「必須タグ」、「en cos d echange」は「引き換えに」

等、下の方の表記は何か注意事項みたいな感じですね。

 

タグにある表記を見ると時代性やブランディングみたいなところもみえてきて面白いと思います。
こういった点もヴィンテージの面白いところですね。